クモが、巣を作るために出す「糸」の成分はどれ?

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クモが、巣を作るために出す「糸」の成分はどれ?

  1. 脂肪
  2. たんぱく質
  3. 炭水化物
  4. カルシウム

【答え】 たんぱく質

クモが巣を作るために出す糸は、一般的に「クモの糸」と呼ばれますが、生物学的には「絹糸(けんし)」または「蜘蛛糸(くもいと)」と称されます。この糸は、クモが持つ驚くべき天然素材であり、その特性は多岐にわたります。

クモの糸の生成と種類

クモは腹部の後方にある「糸疣(しゆう)」という器官から糸を出します。糸疣には多数の「吐糸管(としかん)」があり、それぞれの吐糸管が異なる種類の絹糸腺(けんしせん)と繋がっています。これにより、クモは用途に応じて様々な種類の糸を使い分けています。

主な糸の種類とその用途は以下の通りです。

  • 牽引糸(けんいんし、または大瓶状腺糸):
    • 最も強度があり、クモの体重を支えるための主たる構造(枠糸、縦糸)や、移動のための命綱として使われます。
    • 非常に高い引張強度を持ち、同直径の鋼鉄よりも強いと言われています。
    • 伸縮性にも優れており、衝撃を吸収する能力も高いです。
  • 捕獲糸(ほかくし、または集合腺糸、粘液腺糸):
    • 獲物を捕らえるための粘着性のある糸です。円網の渦巻き状の横糸(粘着糸)などに使われます。
    • タンパク質と糖タンパク質、そして水を主成分とする粘液滴で覆われており、これらが昆虫を絡め取ります。
    • 乾燥しにくく、長時間粘着性を保つことができます。
  • 足場糸(あしばいと、または小瓶状腺糸):
    • 巣の初期段階で足場を作ったり、一時的な足場として使用されます。
    • 細くて比較的強度があるのが特徴です。
  • 産卵嚢糸(さんらんのうし、または洋梨状腺糸):
    • 卵を包む卵嚢(らんのう)を作るための糸です。
    • 保温性や防水性に優れ、卵を保護する役割を果たします。
  • 接着糸(せっちゃくし、またはブドウ状腺糸):
    • 糸と糸を結合させたり、巣を固定するための接着剤のような役割を持つ糸です。

これらの糸は、クモの体内では液体(タンパク質の水溶液)として存在していますが、吐糸管から空気に触れる瞬間に固形化します。この瞬時の相転移が、クモの糸の驚くべき強度と柔軟性の秘密とされています。

クモの糸の驚くべき特性

クモの糸は、その特性から「夢の素材」とも呼ばれ、様々な分野での応用研究が進められています。

  • 高い引張強度: 同じ太さの鋼鉄よりもはるかに強く、アラミド繊維(ケブラーなど)にも匹敵する強度を持ちます。
  • 優れた伸縮性: 非常に伸びる性質があり、元の長さの数倍にまで伸びても切れません。この柔軟性があるため、昆虫が衝突した際の衝撃を吸収し、糸が切れるのを防ぎます。
  • 軽量性: 非常に軽い素材です。
  • 生体適合性: タンパク質を主成分とするため、生体との親和性が高く、医療分野での応用も期待されています。
  • 紫外線耐性: 比較的紫外線に強く、劣化しにくい性質があります。
  • 防水性: 表面張力により水をはじく性質があります。

クモの糸の応用研究

クモの糸のこれらの特性から、以下のような分野での応用が研究されています。

  • 高機能繊維: 防弾ベスト、釣り糸、医療用縫合糸、人工靭帯、飛行機の部品など。
  • 化粧品・医療品: 美容液の成分、再生医療材料など。
  • その他の素材: 軽量で丈夫な新素材の開発。

しかし、クモは養殖が難しく、共食いをする習性があるため、大量生産が困難という課題があります。そのため、人工的にクモの糸の成分を合成し、量産する技術の開発が進められています。例えば、微生物を利用してクモの糸のタンパク質を生産する試みなどが進められています。

クモの糸は、自然が作り出した究極のナノテクノロジーであり、その神秘的な機能は私たちに多くの示唆を与えています。

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