日本の【文化遺産】でないものは次のうちどれ？

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日本の【文化遺産】でないものは次のうちどれ？

1. 姫路城
2. 古都奈良の文化財
3. 屋久島
4. 琉球王国のグスク及び関連遺産群

【答え】　屋久島

屋久島は、1993年に「世界自然遺産」に登録された、日本を代表する豊かな自然を有する島です。その自然の最大の特徴は、亜熱帯から亜寒帯にわたる多様な植生が、海岸から山頂まで垂直的に分布していることにあります。これは「垂直分布」と呼ばれ、日本列島の気候帯が凝縮されたような形で存在しているため、「一日にして四季を感じる島」とも言われます。

屋久島の自然の主な特徴

1. 多雨と花崗岩の地形
   • 「月に35日雨が降る」と言われるほど年間降水量が多く、平地部で4,000mm、山岳地帯では8,000～10,000mmにも達します。この豊富な雨が、豊かな森を育む源となっています。
   • 島の大部分は花崗岩でできており、長年の風雨によって浸食され、独特の景観を作り出しています。清らかな水流が多く、美しい渓谷や滝が点在します。
2. 垂直分布と多様な植生
   • 海岸付近はガジュマルやアコウなどが見られる亜熱帯的な照葉樹林が広がり、標高が上がるにつれてスダジイやタブノキなどの暖温帯の照葉樹林に移行します。
   • さらに標高500m～1,000m付近からは、屋久島を象徴するヤクスギを含む針葉樹林が広がります。
   • 山頂付近の標高1,500m以上になると、ヤクシマシャクナゲなどの低木林や高山植物、高層湿原（花之江河など）が見られます。
3. ヤクスギ
   • 樹齢千年を超える天然スギを「ヤクスギ」と呼び、屋久島の象徴的な存在です。多雨で高湿度な環境に適応し、樹脂を多く含むため、非常に長寿です。
   • 最も有名なのが、推定樹齢2,000年以上とされる「縄文杉」です。その他にも、苔むした姿が美しい「白谷雲水峡」など、ヤクスギが織りなす幻想的な森が広がります。
4. 固有種と生物多様性
   • 屋久島は独自の進化を遂げた生物が多く、多くの固有種が生息しています。
     • 動物:
       • ヤクシカ: 本土のニホンジカより小型で、足が短いのが特徴。島内でよく見かけられます。
       • ヤクザル: 本土のニホンザルより小型で、毛が濃いのが特徴。ヤクシカと共に、島の代表的な野生動物です。
       • その他、ヤクシマジネズミ、ヤクシマヒメネズミなどの哺乳類の固有亜種や、ヤクヤモリ、ヤクシマタゴガエル、ヤクシマオニクワガタなどの爬虫類や昆虫の固有種・固有亜種が見られます。
       • 永田いなか浜は、日本有数のアカウミガメの産卵地としても知られています。
     • 植物:
       • ヤクシマシャクナゲ: 標高1,200m以上に自生し、ピンクから淡い白色の美しい花を咲かせます。
       • その他、ヤクシマリンドウ、オオゴカヨウオウレン、ヤクシマダケなど、多くの固有植物や、ヤクタネゴヨウなどの希少な植物が生育しています。
5. 独特の生態系
   • 多雨と高湿度な環境により、樹木の幹や岩にびっしりと苔が生え、独特の「苔むした森」の景観を作り出しています。これは、エピフィティック（着生）植物や渓流植物が豊富に生育する理由でもあります。

屋久島の自然は、その壮大さ、多様性、そして独自の生態系が評価され、世界中の人々を魅了し続けています。