戦時中の様子を描いた「火垂るの墓」の原作者はだれ？

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戦時中の様子を描いた「火垂るの墓」の原作者はだれ？

1. 高畑勲
2. 大島渚
3. 野坂昭如
4. 宮崎駿

【答え】　野坂昭如

野坂昭如（のさか あきゆき）は、1930年（昭和5年）10月10日に神奈川県鎌倉市で生まれ、2015年（平成27年）12月9日に85歳で亡くなった日本の小説家、歌手、作詞家、タレント、そして政治家です。

生い立ちと初期の活動: 生まれてすぐに生母を亡くし、兵庫県神戸市の親戚宅の養子となります。1945年の神戸大空襲で養父を失い、疎開先で下の妹を栄養失調で亡くすという壮絶な戦争体験を持ちます。こうした体験から、自らを「焼け跡闇市派」と称し、その後の創作活動に大きな影響を与えました。

早稲田大学仏文科を中退後、コント作家、CMソング作詞家、放送作家として活動を開始します。放送作家としては「阿木 由紀夫（あき ゆきお）」という筆名も使っていました。1963年には童謡「おもちゃのチャチャチャ」の作詞で日本レコード大賞作詞賞を受賞しています。

作家としての評価と代表作: 1963年に小説『エロ事師たち』で作家デビュー。1967年には、自身の戦争体験を描いた『火垂るの墓』と、占領下の世相を描いた『アメリカひじき』で第58回直木賞を受賞し、作家としての地位を確立しました。『火垂るの墓』は、後に高畑勲監督によってアニメ映画化され、広く知られることになります。

その他の代表作には、『エロ事師たち』『同心円』『骨餓身峠死人葛』『一九四五・夏・神戸』などがあります。 1997年『同心円』で吉川英治文学賞、2002年『文壇』およびそれに至る文業で泉鏡花文学賞を受賞しています。

多才な活動: 小説家としてだけでなく、歌手としても活動し、「クロード野坂」名義で1969年にレコードデビュー。「黒の舟唄」などがヒットしました。また、タレントとしてもテレビに多数出演し、コラムニストやコメンテーターとしても活躍しました。

政治活動: 1983年には参議院議員（1期）を務めました。その後、参議院議員を辞職し、衆議院議員選挙に立候補したこともあります。

晩年: 2003年に脳梗塞で倒れてからは、リハビリを続けながら執筆活動を行っていました。2015年に心不全のため亡くなりました。

野坂昭如は、戦争の悲惨さや人間の内面を戯作風の饒舌体で描き出し、日本の文学界に大きな足跡を残しました。その多岐にわたる活動と、独自の視点から時代を挑発し続けた人物として知られています。