スイスやドイツに留学し、たんぱく質を研究、1910年にオリザニンの抽出に成功した化学者は?

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スイスやドイツに留学し、たんぱく質を研究、1910年にオリザニンの抽出に成功した化学者は?

  1. 高峰譲吉
  2. 鈴木梅太郎
  3. 北里柴三郎
  4. 志賀潔

【答え】 鈴木梅太郎

鈴木梅太郎(すずき うめたろう)は、1874年(明治7年)4月7日に静岡県榛原郡堀野新田村(現在の牧之原市堀野新田)で生まれ、1943年(昭和18年)9月20日に69歳で亡くなった日本の農芸化学者です。

彼の最大の功績は、世界で初めてビタミンB1を発見したことです。

主な功績と研究

  • ビタミンB1(オリザニン)の発見:
    • 当時、日本で多くの人々が苦しんでいた脚気の原因究明に取り組みました。
    • ドイツ留学で学んだタンパク質やアミノ酸の研究知識を活かし、帰国後に日本の主食である米の研究を開始。
    • 米ぬかに脚気を予防する有効成分が含まれていることを突き止め、1910年(明治43年)12月13日に、その新栄養成分を「オリザニン」と名付けて発表しました。
    • 翌年、ポーランドの化学者フンクも同じ栄養成分を発見し「ビタミン」と名付けたため、フンクの命名が世界的に広まりましたが、鈴木梅太郎が世界初の発見者であることは揺るぎない事実です。
    • この業績により、12月13日は「ビタミンの日」とされています。
  • 日本農芸化学会の創設:
    • 我が国最大級のバイオ系学会の一つである日本農芸化学会を創立し、初代会長としてその発展の基礎を築きました。
  • 合成清酒の発明:
    • 米を原料としない合成清酒の発明にも成功し、1922年(大正11年)に学士院賞を受領しています。
  • 育児用粉乳「パトローゲン」の開発:
    • 明治・大正時代に母乳不足の乳児に利用されていた加糖練乳に代わる、育児用調製粉乳「パトローゲン」を完成させ、日本の食品産業の創出に貢献しました。
  • その他の貢献:
    • 東京帝国大学農科大学の教授を務め、理化学研究所の創設者の一人でもあります。
    • 農林水畜産業・農産製造業の体系化、技術の発明・改良にも尽力し、「国民糧食の安定及び改良」を掲げ、基礎研究と応用研究を融合させた農芸化学の理念を推進しました。

生涯と受賞歴

  • 幼少の頃から学問を好み、15歳で上京し、東京農林学校(現:東京大学農学部)に入学、総代で卒業しました。
  • 帝国大学農学科の助教授を経て、ドイツ・ベルリン大学に留学し、タンパク質やアミノ酸の研究を行いました。
  • 帰国後、盛岡高等農林学校教授、東京帝国大学教授を歴任しました。
  • 1925年(大正14年)には帝国学士院会員に列せられました。
  • 1943年(昭和18年)には、その多大な功績が評価され、文化勲章を受章しました。また、同年には昭和天皇より正三位勲一等を拝受しています。

鈴木梅太郎は、科学の進歩が産業の発達に繋がるという信念のもと、基礎研究と応用研究を両立させ、日本の科学技術と国民生活の向上に大きく貢献した偉大な農芸化学者です。

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