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ヴェルサイユ宮殿が位置する国はどこですか?
- フランス
- イタリア
- ドイツ
- スペイン
ヴェルサイユ宮殿は、フランスのイヴリーヌ県ヴェルサイユにある、世界的に有名な壮大な宮殿です。フランス絶対王政の象徴として、その豪華絢爛な建築と広大な庭園は多くの人々を魅了し続けています。
歴史と建造
ヴェルサイユ宮殿の起源は、17世紀初頭にフランス国王ルイ13世が狩猟用の小さな城館を建てたことに遡ります。しかし、現在の壮大な姿を築き上げたのは、その息子であるルイ14世です。
ルイ14世は、臣下の財務総監ニコラ・フーケが建てたヴォー・ル・ヴィコント城の豪華さに嫉妬し、それ以上の壮麗な宮殿を建設することを命じました。1661年から本格的な造営が開始され、数十年という歳月と莫大な費用、そして多くの人力を費やして、現在のヴェルサイユ宮殿が完成しました。
1682年には、ルイ14世はパリからヴェルサイユに宮廷と政府の本拠を移し、フランス革命が起こる1789年まで、ヴェルサイユ宮殿はフランス王国の政治の中心地となりました。
主な設計者と造園家:
- ルイ・ル・ヴォー: 宮殿本館の主要な建築家の一人。
- ジュール・アルドゥアン=マンサール: ルイ・ル・ヴォーの死後、宮殿の大規模な増築に携わり、「鏡の間」などを手がけました。
- シャルル・ル・ブラン: 王の大居室群の天井画など、宮殿内部の豪華な装飾を手がけた画家。
- アンドレ・ル・ノートル: 広大なヴェルサイユ庭園を設計した天才造園家。
ヴェルサイユ宮殿の見どころ
- 鏡の間 (Galerie des Glaces): 宮殿内で最も豪華絢爛な部屋の一つで、長さ約73メートルもの回廊に、17枚の窓とそれに対応する357枚の鏡が飾られています。
- 広大な庭園: 造園家ル・ノートルの手による、幾何学的な配置と噴水、彫刻が特徴の広大なフランス式庭園。水源の乏しいヴェルサイユにセーヌ川から水を引いてまで造られました。
- 王室礼拝堂 (Chapelle Royale): 豪華な装飾が施された礼拝堂で、ルイ16世とマリー・アントワネットの結婚式もここで行われました。
- 王と王妃の寝室: それぞれの王室の豪華な生活空間を垣間見ることができます。特に王妃の寝室は、最後の主であったマリー・アントワネット時代の装飾が再現されています。
- グラン・トリアノン (Grand Trianon) とプチ・トリアノン (Petit Trianon): 宮殿敷地内にある離宮で、特にプチ・トリアノンはマリー・アントワネットが個人的な空間として愛したことで知られています。
- 王妃の村里 (Hameau de la Reine): マリー・アントワネットが田園生活を体験するために造らせた村。
ヴェルサイユ宮殿の意義
ヴェルサイユ宮殿は、単なる豪華な建物ではなく、ルイ14世が貴族たちを宮廷に集め、その力を抑制し、王権の絶対性を国内外に誇示するための政治的な中心地でもありました。バロック建築の最高峰とされ、その後のヨーロッパの宮殿建築に多大な影響を与えました。
また、第一次世界大戦後、ドイツとの講和条約である「ヴェルサイユ条約」がこの宮殿の「鏡の間」で調印されたことでも歴史に名を刻んでいます。
現在、ヴェルサイユ宮殿と庭園はユネスコの世界遺産に登録されており、年間600万人もの観光客が訪れる、フランスを代表する観光スポットとなっています。

