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「デロス」は何の遺跡として知られていますか?
- 古代ギリシアの神殿
- 古代エジプトの墓
- 古代ローマの衛兵所
- 古代メソポタミアの市場
古代ギリシアの神殿は、単なる崇拝の場所を超え、都市国家(ポリス)の富と権力、そして芸術的・建築的技術の象徴でした。紀元前6世紀から紀元前4世紀にかけて最盛期を迎え、その様式は後世の西洋建築に多大な影響を与えました。
1. 神殿の役割と目的
古代ギリシアの神殿は、以下のような役割を担っていました。
- 神像の安置場所: 神殿の中心である「ナオス」(内陣)には、その神殿が捧げられた神々の巨大な神像が安置されていました。人々が神殿の中に入って礼拝するのではなく、神像のための「住居」として考えられていました。
- 公共の宝物庫: ポリスの富や戦利品、奉納品などを保管する宝物庫としての機能も持っていました。
- ポリスの象徴: ポリスの信仰心、経済力、芸術的センスを示すランドマークであり、市民のアイデンティティを形成する上で重要な存在でした。
- 儀式・祭礼の場: 神殿の外部にある広大な聖域で、供犠や祝祭などの宗教儀式が行われました。
2. 神殿の基本的な構造
古代ギリシアの神殿は、基本的に以下の要素で構成されています。
- 基壇(ステュロバテス): 神殿の土台となる部分で、階段状になっていることが多いです。
- 円柱(コラム): 基壇の上に立つ柱で、神殿を象徴する重要な要素です。
- エンタブラチュア(水平梁): 円柱の上に載る水平な構造部分で、屋根を支えます。この部分はさらにいくつかの部分に分かれます。
- アーキトレーヴ(主桁): 円柱の真上に載る一番下の梁。
- フリーズ(装飾帯): アーキトレーヴの上に位置し、彫刻などで装飾されることが多い帯状の部分。
- コーニス(軒蛇腹): フリーズの上に位置する、軒先を形成する部分。
- 破風(ペディメント): 切妻屋根の三角部分で、しばしば彫刻で飾られました。
- 屋根: 木造の骨組みに瓦(テラコッタ製が多い)を葺いたものでした。
3. 三つの主要な建築様式(オーダー)
古代ギリシアの神殿建築は、柱の形式とその上部の構造(エンタブラチュア)の特徴によって、主に以下の三つの様式(オーダー)に分類されます。これらの様式は、それぞれ異なる時代と地域で発展しました。
3.1. ドーリア式(Doric Order)🏛️
- 特徴:
- 最も古く、紀元前7世紀頃から発展しました。
- 柱に**柱頭(キャピタル)や柱脚(ベース)**がなく、基壇に直接柱身が載ります。
- 柱身は太く、垂直な溝(フルーティング)が入っています。
- 柱頭はシンプルな逆円錐台と四角い板(アバクス)で構成されます。
- エンタブラチュアのフリーズ部分には、垂直の溝が入ったトリグリフと、彫刻が施されたメトープが交互に配置されます。
- 力強く、荘重な印象を与え、「男性的」と表現されることもあります。
- 代表例: パルテノン神殿(アテネ)、ヘーラー神殿(ペストゥム)など。
3.2. イオニア式(Ionic Order)📜
- 特徴:
- 紀元前6世紀中頃から、小アジア(現在のトルコ)のイオニア地方で発展しました。
- 柱に柱脚があり、柱身はドーリア式よりも細く優雅です。
- 柱頭には、特徴的な**渦巻き模様(ヴォリュート)**の装飾があります。
- フリーズは連続した彫刻帯となることが多く、トリグリフとメトープは持ちません。
- 優美で繊細な印象を与え、「女性的」と表現されることもあります。
- 代表例: エレクテイオン神殿(アテネ)、アテーナー・ニケ神殿(アテネ)など。
- パルテノン神殿の内部にもイオニア式の要素が取り入れられています。
3.3. コリント式(Corinthian Order)🌿
- 特徴:
- 最も新しく、紀元前5世紀後半に発展しました。
- イオニア式から派生した様式で、基本的な構造はイオニア式に似ています。
- 最大の特色は、装飾が非常に豪華な柱頭です。アカンサスの葉をモチーフにした複雑な彫刻が特徴です。
- より華麗で洗練された印象を与えます。
- 代表例: バッサイのアポロン・エピクリオス神殿(コリント式の最古の例とされる)、ゼウス神殿(アテネ、ローマ時代に完成)など。
4. パルテノン神殿の例
古代ギリシア神殿の最高傑作とされるパルテノン神殿 は、ドーリア式の典型でありながら、その中に繊細な視覚補正やイオニア式の要素(内部のフリーズなど)を取り入れている点が特筆されます。
- エンタシス: 柱の中央部がわずかに膨らんでいるエンタシスという技法が用いられています。これにより、柱がまっすぐに見えたり、より安定感があるように見えたりする視覚効果を生み出しています。
- 基壇の湾曲: 基壇(スタイロバテス)もわずかに中央が盛り上がるように湾曲しており、遠近法による視覚的な歪みを補正し、建物全体が直線的で完璧に見えるように工夫されています。
- 隅柱の傾斜: 隅の柱がわずかに内側に傾斜しているなど、様々な**錯視補正(視覚補正)**が施されており、古代ギリシア建築家たちの高度な数学的・美的感覚がうかがえます。
これらの神殿は、現代においてもその美しさと建築技術の高さで人々を魅了し続けています。

