ポイントタウンのクイズと答えを正解してポイントをゲットしてポイ活を楽しみませんか?JALもANAも毎年1回無料航空券と交換継続中!
日本の最初の国立公園として設立されたのはどの公園ですか?
- 日光
- 大雪山
- 毘沙門
- 屋久島
日光を「帝国公園」となす請願運動の背景と結果
日光を帝国公園(現在の国立公園に相当)とする請願運動は、大正時代から昭和初期にかけて活発に行われました。この運動の背景には、日光が持つ比類なき自然美と歴史的・文化的価値、そして当時の社会情勢がありました。
請願運動の背景
- 日光の類稀な自然と文化の融合: 日光は、男体山、女峰山などの雄大な火山群、中禅寺湖、湯ノ湖などの美しい湖沼、華厳滝、竜頭滝といった壮大な滝、そしてそれらを囲む豊かな森林など、多様で美しい自然景観を有していました。また、世界遺産にも登録されている日光東照宮をはじめとする二社一寺(日光東照宮、日光二荒山神社、日光山輪王寺)に代表される、歴史的・宗教的建造物が自然と一体となった独特の景観を形成しており、その価値は広く認識されていました。
- 国際的な知名度と観光地としての発展: 明治時代以降、日光は外国人宣教師や外交官、貿易商などによって避暑地として開拓され、その美しい景観は海外にも広く紹介されていました。ジョン・モリス(イギリス人貿易商)、アーネスト・サトウ(イギリス外交官)、イザベラ・バード(イギリス人旅行家)などが日光の魅力を世界に発信しました。彼らの活動により、日光は国際的な観光地としての地位を確立し、多くの外国人観光客を惹きつけていました。このことは、国際的な観点から日本の優れた自然を保護し、国の威信を示す場所としてふさわしいという認識を高めました。
- 国立公園制度導入への国際的な流れと国内の機運: 19世紀後半から20世紀初頭にかけて、アメリカのイエローストーン国立公園を皮切りに、世界各国で自然保護のための国立公園制度が導入され始めていました。日本でも、近代化が進む中で、こうした国際的な流れに乗り、優れた自然景観を国家レベルで保護・管理する制度の必要性が議論されるようになりました。特に、国立公園の設置は、国民の保健・休養・教化に資するだけでなく、国の品格や文化水準を示すものとして捉えられていました。
- 地元からの強い要望と推進: 日光地域の住民や観光業界、鉄道会社(東武鉄道など)は、日光の観光振興と保護を目的として、早くから国立公園指定を求める運動を展開していました。彼らは、日光の価値を訴え、国会や政府に請願書を提出するなど、積極的に働きかけました。こうした地元からの熱心な働きかけが、請願運動の大きな原動力となりました。
請願運動の結果
これらの背景から、日光を帝国公園とすべきだという請願運動は、当時の政府や議会に大きな影響を与えました。その結果は以下の通りです。
- 国立公園法の制定(1931年): 長年の議論と請願運動が実を結び、1931年(昭和6年)に国立公園法が制定されました。これにより、日本においても国立公園を法的に指定・管理する制度が確立されました。
- 日光国立公園の指定(1934年): 国立公園法制定後、具体的な公園の選定が進められ、1934年(昭和9年)12月4日、日光は瀬戸内海、雲仙、霧島とともに、日本で最初の国立公園の一つとして指定されました。これは、請願運動が望んだ通りの結果であり、日光の自然と文化遺産が国家的な保護の対象となることを意味しました。
まとめ
日光を帝国公園となす請願運動は、日光が持つ自然美と歴史的価値、国際的な評価、そして時代の潮流が複合的に絡み合って展開されました。その結果、日本における国立公園制度の確立と、日光がその最初期に指定されるという歴史的な成果をもたらしました。これは、単なる観光振興だけでなく、日本の優れた自然環境と文化遺産を次世代に継承していくための重要な一歩となりました。