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世界最古の文学作品として知られている「ギルガメシュ叙事詩」はどこの国のものですか?
- エジプト
- イラク
- ギリシャ
- 日本
「ギルガメシュ叙事詩」は、古代メソポタミア文明で生まれた、現存する世界最古の長編文学作品とされています。紀元前2000年頃には成立していたと考えられており、人類の歴史や思想に大きな影響を与えてきました。
ギルガメシュ叙事詩とは?
この叙事詩は、古代メソポタミアの都市国家ウルクの伝説的な王ギルガメシュの物語です。彼は3分の2が神、3分の1が人間という半神半人の存在として描かれ、当初は暴君でしたが、後にエンキドゥという友人を得て、人間として成長していく過程が描かれます。
物語の主な内容は以下の通りです。
- 暴君ギルガメシュの登場: ウルクの王ギルガメシュは、強大な力を持つ暴君で、住民を苦しめていました。
- エンキドゥとの出会いと友情: 神々は、ギルガメシュの暴虐を鎮めるため、野性的な人間エンキドゥを創造します。ギルガメシュとエンキドゥは壮絶な戦いを繰り広げた後、互いを認め合い、深い友情を結びます。
- 怪物との戦い: ギルガメシュとエンキドゥは、杉の森の守護者である怪物フンババ(フワワ)や、女神イシュタルが送った天の牡牛グガランナを協力して倒します。
- エンキドゥの死と不死の探求: 傲慢な行動により神々の怒りを買い、エンキドゥは病で死んでしまいます。親友の死に直面し、ギルガメシュは自身もまた死すべき運命にあることに恐怖を覚え、不死を求めて旅に出ます。
- 大洪水伝説: 不死の秘密を知るとされるウトナピシュティム(旧約聖書のノアの箱舟伝説と酷似した大洪水物語の登場人物)を訪ね、彼から大洪水の物語を聞きます。
- 永遠の命の探求の失敗と帰還: 結局、ギルガメシュは永遠の命を得ることはできませんでしたが、旅を通じて人間としての限界や、死すべき運命を受け入れることの重要性を悟り、ウルクの王として戻り、立派に統治したとされます。
この叙事詩は、楔形文字で粘土板に記されており、世界各地の博物館にその断片が収蔵されています。特に有名なのは、大英博物館に所蔵されている**「標準バビロニア版」の12枚の粘土板**です。
イラクとの関係
ギルガメシュ叙事詩とイラクには、非常に深く、切っても切れない関係があります。
- 文明の発祥地: ギルガメシュ叙事詩が生まれた古代メソポタミア文明は、現在のイラク共和国の国土の大部分に広がっていました。特に、物語の中心となる都市国家ウルクは、現在のイラク南部に位置していました。シュメール人、アッカド人、バビロニア人、アッシリア人といった古代の民族が栄えた土地であり、彼らがこの叙事詩を継承し、書き記しました。
- 粘土板の発見地: ギルガメシュ叙事詩が記された数々の粘土板は、19世紀以降、主にイラク国内の遺跡(ウルク、ニネヴェ、シッパルなど)から発掘されました。これらの発掘により、この壮大な物語が現代に蘇ったのです。特に、アッシリアの首都であったニネヴェのアッシュールバニパル王の図書館跡からは、完全な形で叙事詩を伝える粘土板の断片が多数発見されました。
- 文化遺産の象徴: ギルガメシュ叙事詩は、イラクにとってかけがえのない文化遺産の象徴です。それは、現代のイラクが持つ豊かな歴史と、世界文明に与えた影響の証でもあります。
- 略奪された文化財の返還: 近年、イラク戦争やISIL(イスラム国)の台頭などの混乱期において、多くのイラクの文化財が略奪され、海外に密輸されました。その中には、ギルガメシュ叙事詩が刻まれた粘土板の断片も含まれていました。2021年には、アメリカ合衆国が違法に持ち込まれた「ギルガメシュの夢」と呼ばれる粘土板をイラクに返還するなど、文化財の保護と返還は、イラクにとって重要な課題となっています。
このように、ギルガメシュ叙事詩は、まさに現在のイラクの地に根ざした、人類共通の貴重な文化遺産であり、イラクのアイデンティティと歴史を深く結びつける存在と言えます。