世界最古の文学作品とされる「ギルガメシュ叙事詩」はどの文明から来ている?

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世界最古の文学作品とされる「ギルガメシュ叙事詩」はどの文明から来ている?

  • エジプト
  • メソポタミア
  • ギリシャ
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【答え】メソポタミア

「ギルガメシュ叙事詩」は、人類が知る限り世界最古の文学作品とされる、古代メソポタミアの英雄叙事詩です。紀元前18世紀頃にアッカド語で成立したと考えられており、シュメール語の断片的な物語を基に編纂されました。

1. 概要と発見

  • 世界最古の文学: 成立時期が紀元前1800年頃と非常に古く、ホメロスの『イリアス』や『オデュッセイア』よりもはるか昔に書かれたものです。
  • 粘土板に記された物語: 楔形文字で粘土板に記され、主にアッシリアのニネベ(現在のイラク北部)の図書館跡から多数の粘土板が発見されました。特に有名なのは、1872年にジョージ・スミスによって大英博物館に持ち込まれた粘土板の一部で、そこに記されていた「大洪水物語」が旧約聖書のノアの箱舟物語との類似性から大きな注目を集めました。
  • 登場人物: 主人公は、伝説的なウルクの王ギルガメシュ。彼に敵対するために創造された野人エンキドゥ、ギルガメシュに不死の秘密を教えるウトナピシュティムなどが主要な登場人物です。

2. あらすじ(標準版)

『ギルガメシュ叙事詩』は12の書板から成り、大きく5つのまとまりに分けられます。

  1. 暴君ギルガメシュとエンキドゥの誕生: ウルクの王ギルガメシュは、3分の2が神、3分の1が人間とされる半神半人の存在で、その強さと暴虐さで市民を苦しめていました。市民の嘆きを聞いた神々は、ギルガメシュに対抗できる野人エンキドゥを創造します。
  2. ギルガメシュとエンキドゥの友情: エンキドゥは最初は獣と共に暮らしますが、神殿娼婦シャムハトによって人間としての生き方を学び、ウルクへやって来ます。ギルガメシュとエンキドゥは激しく戦いますが、互いの力を認め合い、無二の親友となります。ギルガメシュはエンキドゥとの出会いを機に、暴君としての振る舞いを改め、名君へと成長していきます。
  3. 杉の森への遠征と怪物フンババの討伐: 二人は共に名声を得るため、神々が守る杉の森の番人である恐ろしい怪物フンババを討伐する旅に出ます。多くの困難を乗り越え、太陽神シャマシュの助けも借りてフンババを倒し、ウルクに凱旋します。
  4. イシュタルの求婚と天の牡牛退治、そしてエンキドゥの死: フンババを倒したギルガメシュの雄姿に、女神イシュタルは求婚しますが、ギルガメシュは彼女の過去の不貞を罵り、求婚を拒絶します。侮辱されたイシュタルは激怒し、父神アヌに頼み込んで「天の牡牛」をウルクに送り込みます。ギルガメシュとエンキドゥは力を合わせて天の牡牛を倒しますが、この神殺しの罪により、神々はどちらかを死なせることを決定し、エンキドゥが病に倒れて死んでしまいます。
  5. ギルガメシュの不死への探求: 最愛の友エンキドゥの死に直面したギルガメシュは、死への恐怖と悲しみに打ちひしがれ、「自分もいつか死ぬのか」という問いにとらわれます。彼は不死の秘密を知る唯一の人間、大洪水から生き残ったウトナピシュティムを訪ねるため、遥かなる旅に出ます。多くの危険な場所を通り抜け、冥界の渡守の助けを借りてついにウトナピシュティムに会います。
  6. 大洪水物語と若返りの草: ウトナピシュティムは、かつて神々が人類を滅ぼそうと起こした大洪水の物語をギルガメシュに語り聞かせます。そして、不死の秘訣はもうないが、若返りの草があることを教えます。ギルガメシュはその草を手に入れますが、帰路の途中で水浴びをしている隙に蛇に盗まれてしまい、結局不死も若返りも手に入れることはできませんでした。
  7. ウルクへの帰還と受容: 失意のギルガメシュはウルクに戻りますが、旅を通して死すべき人間としての限界と、その中でいかに生きるべきかという「知恵」を得ます。そして、自分が築いた偉大なウルクの城壁を眺め、人間が有限な生の中で成し遂げる偉業こそが真の不死であると悟ります。

3. テーマと重要性

  • 死と不死、生の有限性: ギルガメシュが不死を追い求める旅を通して、人間の死すべき運命と、それを受け入れることの重要性が描かれています。これは、人類が古くから抱いてきた普遍的な問いであり、哲学的な深みを持っています。
  • 友情と喪失: ギルガメシュとエンキドゥの絆、そしてその死がギルガメシュに与える影響は、友情と喪失という人間の経験の核心を描いています。
  • 文明と自然: 暴君だったギルガメシュがエンキドゥとの出会いを通して文明人として成長していく過程や、野人エンキドゥが人間社会に適応していく様子は、文明と自然、野生と文化といった対立と融合のテーマを示唆しています。
  • 洪水神話: 旧約聖書のノアの箱舟物語と酷似した大洪水物語が含まれていることは、この叙事詩が後の西アジアの宗教や文化に大きな影響を与えたことを示しています。
  • 文学の起源: 人類の最初の長編物語として、その後の叙事詩、神話、そして文学全般に多大な影響を与えました。

『ギルガメシュ叙事詩』は、古代メソポタミアの人々の世界観、宗教観、そして人間観を知る上で非常に貴重な資料であり、現代の私たちにとっても示唆に富む奥深い物語です。

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